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ロードバイクサドルの角度の調整方法!水平・前下がり・前上がりレビュー

ロードバイクのサドルって、角度・高さ・前後の位置など、ピタッとくるまでは調整が悩ましいですよね。
私ももれなくそのひとり。
今回、ロードバイクのサドルの角度を調整しました。

実際に、私がやっているロードバイクのサドルの角度の調整方法をご紹介したいと思います。
サドルの角度の選び方についても解説します。

 

サドルの角度は「水平が良い」わけではない!

ロードバイクで基本のセッティングといえば、「サドルの角度は水平が基本」というのを目にします。ロードバイクの本などでも、水平と記載されているものが多いですよね。
私も、まずは水平から始めました。
乗り続けていくうちに、筋力がついたり、乗る姿勢も変わったりしていきます。それに合わせてサドルも調整していくのが良いですね。

サドルの前方のほうが柔らかくなっていて、体重をかけると少し沈み込むものもあります。
つまり、たとえ水平にセッティングしていても、体重がかかると実際は水平ではなく、骨盤が前傾になりがち。

 

サドルの角度・前下がりインプレ

ロードバイクのサドルの角度を前下がりにする。これって乗り心地はどうなの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際私、水平をしばらく経験した後に、しばらくのあいだ前下がりの角度にしていました。

前下がりの角度にした理由

サドルを少し前下がりに変えた一番の理由は、股の痛みでした。
サドルが水平だと、20kmを超えたあたりからサドルの前方が股を圧迫して痛みはじめていたんです。おそらく、まだまだ初心者だったので、すぐに腹筋のあたりが疲れて姿勢がくずれ、骨盤が前に倒れすぎるのが原因でした。

そこで、痛む部分の圧迫を少しでも和らげるために、少しだけ前下がりに角度を変えました。そうすると、骨盤が前に倒れてもあまり圧迫されません。
だいたい1。5〜2度くらいサドルの前方の角度を下げるだけで、かなり痛みが和らぎました。

前下がりのサドルのメリット

前下がりの角度のメリットはやはり、サドル前方の圧迫が少なくなること。
前傾姿勢ができる十分な筋肉が育つまでは、恥骨のあたりに体重が乗ってしまう方も少なくありません。
男性も女性も、股間、恥骨のあたりの圧迫感が気になる方は、少しだけ前下がりの角度に調整してみても良いかもしれません。下げる角度としては、1度〜2度くらいから調整してみるのが良いと思います。

前下がりのサドルのデメリット

サドルを前下がりにすると、走行中にお尻が少しずつ前にずれてきてしまうことがあります。
ちなみにこれが、私がサドルを前下がりをやめた理由です。とくに疲れが出て姿勢がゆるみはじめると、ペダリングのたびに少しずつお尻がサドルの前方に動いてきてしまいます。ズレてくるのを防ぐために、自然と腕や足をつっぱったりして、無駄な力が入ってしまうようになります。これでは、安定しませんし、腕や手に痛みが出はじめることにも。

前下がりのサドルにしたときの骨盤の角度にも注意。
サドルの前下がりな角度に沿わせるようにして、骨盤も前傾に倒れすぎてしまうと、ペダリングするときにヒザが上げにくくなります。

 

サドルの角度・前上がりインプレ

水平でもなく、前下がりでもないとなると、最後は前上がり。
前上がりなサドルの角度も試してみました!

前上がりの角度のメリット

サドルを前上がりの角度にすると、お尻が安定しやすくなります。
前下がりの角度にしていたときに私が困った、お尻が前にずれてくる問題も防げます。

股の圧迫を和らげる
前下がりの角度でもサドル前方の痛みが和らぐとご紹介しましたが、実は前上がりでも股の痛みを軽減することができました。
というのも、サドルの角度を前上がりにすると、サドルとお尻がフィットしやすくなります。骨盤の角度が変わり、ペダリングをすることでお尻を適正な位置に落ち着けてくれます。
股間、恥骨が圧迫されて痛むという方にもおすすめです。

前上がりの角度のデメリット

前上がりの角度にしたサドルは、ヒルクライムには向かないかもしれません。
平坦では前上がりのサドルはお尻が安定しやすいのですが、ヒルクライムではうまくペダルに力をかけにくくなる可能性があります。
個人差もあると思いますが、実際私が前下がりの角度にしていたときのヒルクライムはペダリングしやすいと感じていました。でも、前上がりのサドルでの上り坂は、体重の重心が後ろにひっぱられるような感覚で、足に力を伝えにくい感じがします。

 

水平か前上がりのサドルが良い感じ

私の場合は、水平か、わずかに前上がりの角度に調整するのが、いちばんしっくりときます。
これから乗り方を変えたり、筋力がついたりしたときにはまた角度調整が必要になりそうですが、ひとまずは少し前上がりで走ることにします。

サドルを買い換える前に角度と乗り方を変えてみる

実は、お尻が痛くなったり、サドルの形がしっくりきていない気がして、レディース用のサドルに買い替えようかなぁと迷っていた私。
もしかして・・・と思って角度調整を何度か繰り返しましたが、こんなにも変わるのか!というほど痛みを感じることが少なくなりました。
とはいえ、サドルの角度を変えたことで乗る姿勢も変えることになりましたし、今までとは少し違う筋肉も使うことになり、楽になったかと言われればまだ疑問ですが・・・。しっかりトレーニングして鍛えるしかないですね!
ひとまず、サドル購入は延期することにしました。

 

サドルの角度の調整方法

前上がり、前下がりなどサドルの角度についてインプレをしてきましたが、簡単に角度を調整する方法をまとめておきます。

サドルのボルトは2通りあります

サドルとシートポストを固定するタイプは大きくわけて2通りあります。
ボルト1本で調整する方法と、2本で固定されているタイプ。

ボルト1本で固定するタイプ
当然ボルトが少ないほうが軽量化されていると言えます。

ボルト2本で固定するタイプ
ボルト2本で固定されているほうが、サドルが安定します。
2本それぞれの締め具合で角度が変わるので、微調整するのが慣れるまでは少し大変かもしれません

 

サドルの角度調整に必要な道具

  • 六角レンチ(写真右)
  • トルクレンチ(写真左)
  • 水平器またはスマホアプリ
  • 定規や板など平らなもの
  • マスキングテープ

 

サドル角度を調整する方法

ロードバイクのサドルの角度を調整する方法は、ボルトをゆるめて、お好みの角度を決めた状態で締め直します。
とてもシンプルな構造ですね。
シンプルなだけに、けっこう繊細な作業。2本のボルトは前後を均等にしめていかないと、好みの角度よりも前上がりや前下がりに固定されてしまいます。

step
1
現在のシート位置に印をつける

現在のサドルの角度や位置がわからなくならないように、印をつけておきます。
ボルトを緩めると、角度のみを変えたい場合でもサドルの前後位置も同時に動かせてしまいます。前後の位置も覚えておく必要があります。
印をつけるには、マスキングテープが便利。サドルのレール部分にメモリがあるので、スマホなどでメモリの位置を撮影しておく方法もあります。

 

step
2
現在の角度をはかっておく

変更する前のサドルの角度をはかっておきます。

ベテランさんなら、測ったりせずに感覚で作業する方もいらっしゃると思いますが、自分にぴったりの角度を絶賛探し中の方は、数値で角度を把握しておくほうが安心です。

プラス1度上げてもあまり変わらなかった、3度だと上げすぎに感じた・・など、角度を変えては乗って、また変えてみる・・を繰り返して調整していきます。このとき、数値を把握しておくと、微調整がしやすいですよ。


数値が見える無料のスマホアプリを活用するのもおすすめ。

 

サドルに凹凸があって角度が測りにくいときは

サドルの座面に溝があったり凹凸がある形状なら、サドルに硬い板状のものを乗せて、その上に水準器をあててはかります。
座面の凹凸に惑わされることなく、サドル全体の角度が把握しやすいですよ。
長い定規などでも良いですが、できるだけしならないようなものを使うのがおすすめです。

 

step
3
締め付けるトルクを確認する

サドルとシートポストを固定しているボルト近くに、ボルトを締め付ける適正な数値が書かれているので確認しておきます。
8ニュートン。
これ以下の数値だと締めが弱く、走行中にサドルがズレて危険。
反対に、強すぎる力で締め付けてしまうと、シートポストが破損する可能性もあります。

 

step
4
六角レンチでボルトを緩める

それでは、ボルトを緩めていきます。
ボルトを最後まで抜いてしまうのではなく、サドルの角度がゴソゴソ自由に動かせる程度まで緩めればOK。

私のロードバイクは、サドルの前後に2本のボルトがあるタイプ。
2本ボルトの場合は、どちらも均等に徐々に緩めていくイメージで作業します。

 

step
5
サドルの角度を決める

お好みのサドルの角度を決めます。
大幅に変えるよりも、1度程度上げ下げすることからはじめるのがおすすめです。
角度を変えているあいだに前後位置もズレてしまいがちなので、マスキングテープなどでつけた印を目安に、角度のみを調整します。

 

step
6
ボルトをしめる

理想の角度と前後位置に固定できるように、まずは六角レンチでボルトをしめていきます。
ボルトが2本の場合は、どちらか一方を一気にしめるのではなく、徐々にどちらのボルトも締めていきます。

サドルの角度をはかりながらボルトを締める

ボルトを締めるとき、可能ならサドルの角度をはかりながら作業すると、わかりやすいです。
こんなとき、写真のような少し大きめの水平器があると便利。
サドルの上にポンと乗せておけば、前を締めすぎた・後ろを締めすぎた!といったように作業中でも角度の加減が目視できます。

 

step
7
トルクレンチで適正締め付け

六角レンチでおおよそボルトを締めて固定したら、トルクレンチで仕上げの締め付けをします。
あらかじめ確認しておいた、適正な強さにトルクレンチを設定して、締め上げましょう。

 

step
8
角度を微調整

可能なら、角度を数値で確認します。
締め付ける工程でズレたりすることなく、目標の角度になっていたらOK。

 

step
9
前後・左右の向きを調整する

サドルの角度を調整しているあいだに、いつのまにか前後位置や左右の向きがズレてしまっていることがあります。

印を付けていた前後の位置を確認したり、真上から見て左右にサドルが振れていないか調整します。

 

step
10
おつかれさまでした!

はい、サドルの角度調整は完了です。

 

サドルの角度調整で走りが変わる

サドルの角度を1度変えただけで、すっかり乗り心地や体勢も変わるはず。
調整したあとに乗ってみて、「この角度のほうが走りやすい!」とすぐに感じることもあれば、長距離を走るうちに「そういえば、この角度良いかも・・・」と感じることもあります。

なんか違うな、と思ったら、また角度を変えたり、前後位置を変えたりしてみてくださいね。

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